仕事をやっていると英語を学習する時間がなかなか取れませんね。私も30代の頃、悩みました。
この記事では、私が30代の頃に英語の学習時間を確保するために始めたことを紹介します。

・仕事などで英語を勉強する時間をとれない
・英語の習得にはどれだけの時間が必要なんだろう?
・どういう勉強をしたら効率的に習得できるのか知りたい
以上の質問に回答します。
✓ この記事の内容:
- 英語習得にかかる時間についての考察
- 筆者が英語の時間を確保した方法
- 英語の時間でやるべき学習項目
私は外資系企業で、海外チームに所属して25年以上英語を使って仕事をして来ました。
この方法で週5日以上、ほぼ毎日英語を使うようになっています。
30代の私がいそがしい中、どうやって時間を確保したのかをお話します。
英語の習得に必要と言われる時間


英語の習得に必要な学習時間は3,000時間と言われています。
この3,000時間という数字の出どころは、アメリカ国務省「Foreign Service Institute」のようです。
元ネタ:
https://www.state.gov/bureaus-offices/under-secretary-for-management/foreign-service-institute/
(現在は3,000時間という数字は削除されているようです)
この数字ですが、アメリカ国務省のデータであることから分かる通り、調査対象はアメリカ在住の人々です。
✓ 3000時間の統計結果について:
- 調査対象はアメリカ在住の人
- それも外国語マスターのエリート
- 教育のばらつきが考慮されていない
対象がアメリカ人なので、環境が日本とは全く異なります。実は「周りが英語だけなのか、そうでないか」という環境の違いは、英語習得につよく影響します。
なので、この数字が日本に住む私達にもあてはまるのかは「?」です。実際はもっと必要だと思います。
※詳細については次の記事を参照してください。
》https://eikaiwaonline.net/english-tips/learning-time/#3000
筆者の学生時代の英語の学習時間


わたし自身が中学・高校で費やした英語時間は、合計1,000時間にも満たないものでした。
中学の1時限はたしか45分、高校は90分でした。
中学は週に3日程度、高校は4回以上授業がありましたので、ざっくり計算すると次のようになり、合計990時間でした。
中学:0.75 hrs * 3 days * 40 weeks * 3 yrs = 270 hrs
高校:1.5 hrs * 4 days * 40 weeks * 3 yrs = 720 hrs
※大学は授業にほとんど出てなかったので換算してません
これだと話せるようになるわけないですね!これなら大学卒業時のTOEICスコアが270くらいだったのも納得です。
英語学習時間はどのように確保したか


確か30代後半くらいだったと思います。当時考えたことは、とにかく英語に触れる時間を増やすことでした。
英語の時間を確保するために、私は英語を使う部門に異動しました。
結果的に、これが一番効果があった学習方法とおもっています。
英語を使う部門に異動した
「英語をもっと勉強して、今後は英語を使うことを仕事でも趣味でもいいから続けていきたい」と思ったのは、外回りの仕事をしていたときでした。
※その時は国内メーカーの工場やオフィスに通って、開発コンサルティングをやってました。
当時は、ほとんど英語にふれる機会はなく、頭の中から英語がなくなってしまいました。物事を考えるときも日本語だけとなってしまった状態です。
これではだめだと思い、異動を願い出て、海外と協業する部門に異動させてもらいました。
仕事では、英語を使う機会を増やした
まず英語を使う環境に自分を置きました。そのあとに仕事内容をすこしずつ英語を使う機会を増やすようにしました。
たとえば
- 社内文書はできるだけオリジナル(英語)を読む
- 海外とのミーティングへの参加
- CEOや重役の英語のメッセージはできるだけ視る
- 海外の関係部門への提案を英語メールでする
- 海外の関係部門のチャットに参加する
- etc…
今もやってることはほぼ同じです。ひと頃より英語を使う機会は落ち着いてますが、日本語を理解しない同僚の数は増えましたので、英語を使う機会は増えてます。
異動直後は会話もままならなかったくらいの英語力でしたが、なんとか仕事をこなしているうちに意思疎通はできるようになりました。
英語の時間は、通算1万時間くらい
外資系企業に就職して25年、海外協業部門では15年くらいたってます。
その15年の間、一日4時間ほど英語に触れていたとして、週5日勤務、休みを除くと44週/年とざっくり計算すると、次のような計算になります。
仕事:4 hrs * 5 days * 44 weeks * 15 yrs = 13200 hrs
実際はもっと少ない日もあったと思いますが、それでも大体1万時間くらいは英語に触れていたことなります。
学習効率は?でもなんとか英語は使えるように
勤務内容から学習項目はかなり偏っていて、リスニングとスピーキングは量が不足気味です。
- リーディング(読む)は、英語マニュアルを流し読みして内容を把握レベルに
- ライティング(書く)は、提案が通るレベルに
- リスニング(聞く)は会話ができるレベルに
- スピーキング(話す)は相手に通じるレベルに
最近は会話も直接電話ではなく、英語チャットです。そのため発音はしなくなってしまいましたが、言いたいことはすぐに英文で言えるようにはなっています。
それにもともとコミュ障で学習効率はよくなかったと思いますが、それなりに努力したおかげで意思疎通はできるようになりました。
留学経験がなくてもなんとかなるということを証明できたのではと思います。
仕事で英語を上達させる方法のメリット
仕事をしながら英語を上達させる方法をやっていくうちに感じたのは、英語の4つの技能を実際に使う機会があることです。
- メールはライティングの練習になります。
ライティングでは言いたいことをリストしたあと、接続詞などを追加して英文にしていきます。そのときはリスト自体も英語で考えます。
これをやってると頭の中が英語になります。 - 英会話の機会があること
ミーティングに参加することでリスニングやスピーキングの機会があります。 - 英文書を読むことが多くなる
仕事なのでのんびりはできないです。自然と大量の英文を読むスピードも上がり、リーディング力も上がります。
また英文を要約して大意をつかむ力もついてきます。 - 英語チャットが英語コミュニケーションの練習になる
チャットは英語でのコミュニケーションの練習になります。
発音の練習にはなりませんが、レスポンスのスピードは上がりました。
またネイティブ同士のチャットを見てると、どういう話題や表現をしているのかもわかります。
仕事で英語を上達させる方法のデメリット
逆にデメリットですが、日常会話はほとんど上達してません。
もちろんフレーズや単語は理解してますし会話することはできますが、普段使わないので、フレーズが頭に浮かぶのに時間がかかってしまいます。
冠婚葬祭のフレーズは重要なので、覚えるようにしてますが、それでも時間がかかります。
これは他の日本人の同僚も感じており、スモールトーク(日常会話)は苦手、という人は多いです。
趣味や学習で、英語時間を増やす


その他に趣味や学習を英語でやってます。
その場合、おもにリーディングとリスニングの練習になります。
趣味の資料を英語で集める
英語で趣味の資料や情報を集めるのはおすすめです。
英語で情報を集めることが容易な趣味の例:
- トレーニングやエクササイズ
- マーシャルアーツ
- ヨガやピラティス
- 料理
- ボードゲーム
- etc…
わたしはよく自重トレーニングの資料を英語で見たり読んだりしています。
また趣味でシステマ(ロシアのマーシャルアーツ)をしてます。マスターが日本人ではないので、書籍や練習がロシア語と英語のことが多いです。
今はウェブで英語資料もすぐに見つけられるし、Kindleで洋書もすぐ手に入ります。
料理やゲームの本なども多数あるので、楽しみながら英語をマスターすることができます。
ビジネス書を英語で読む
気になるビジネス書はオリジナルの洋書をKindleで読むようにしています。
ビジネス書を英語で読むメリットはたくさんあります。
ビジネス書を英語で読むメリット:
- 今のビジネス書のほとんどは、アメリカがオリジナル
- 新しい考え方は、英語でしか手に入らない物もある
- Kindle で簡単に手に入る
- 翻訳本より安価で手に入る(半額に近いものもある)
洋書で読むほうがリーズナブルで英語の勉強にもなるのでお得です。
プログラミング言語を英語で学習する
プログラミング言語や新しいIT技術などは英語で学習しています。
もう30年近くソフトウェアエンジニアをやってます。昔の言語の C/C++/Java言語はほぼ理解していますが、ただもう古いので最近の言語も少し勉強しています。
プログラミング言語は日本語ではなく英語でやると、次のようなメリットがあります。
プログラミング言語を英語で学ぶメリット:
- 基本をしっかり学ぶことができる
洋書は基本から詳しく説明しているので、しっかり学ぶことができます。 - 説明が論理的なので理解しやすい
日本語より英語は論理的な構成になっていて、わかりやすいです。 - 外国人エンジニアと話すときに楽
日本語で学習すると、外国人エンジニアと話すときに英語の用語がわからなくなることがあります。
最初から英語で学んでいればそんなこともなく、話すときに楽です。
余談ですが、英語だと無料コースがよく見つかります。
Googleでは英語で無料でスキルアップのコースがあります。
》https://learndigital.withgoogle.com/digitalgarage/courses
Udemyでも英語で無料のコースがあります。
》https://www.udemy.com/ja/courses/free/
こんな感じで、英語だと学べることが多くなり、お得です。
学習項目の偏りを修正して効率を上げる


時間を確保しても、学習項目が偏っていると効率が落ちてしまいます。
効率的に英語を上達させるためには、発音練習と4つの技能の実践はかかせません。
4つの技能(読む、書く、聴く、話す)はお互いにサポートし合うので、全てやらないと上達が止まってしまうのです。
※わたし自身、仕事内容から発音やスピーキングが不足しており、その影響でリスニングが苦手です。
偏ってしまうのはしょうがないので、ときどき弱点に集中する期間を作ります。
「最近リスニングをやってないなぁ」と感じたら、リスニングの練習をプライベートでやるなど、調節してやるようにしてます。
発音


発音練習に手をつけたことがなければ、一回やってみることをおすすめします。
私は以前、リスニングが同期や友人と比べて、ぜんぜん出来てませんでした。
なんでなのか悩みましたが、発音練習をしてからは聞き取れるようになりました。
※ 発音はその後、重点的に練習しました。
今はスピーキングやリスニングをやるときに意識して実践していく程度にしています。
※ 英語の発音練習については、以下にまとめています。
》【英語の発音練習のまとめ】積み重ねがリスニング力をアップする


リーディング


英文を読むときは、チャンクごとに英語のまま直接理解するようにしています。
とにかく英語のまま理解するようにして最初は2~3語ごとでした。そのうち少しずつ長いチャンクも意味が取れるようになりました。
チャンクごとに直読直解を心がけていると、リスニングのときの意味取りも上達していきました。
仕事では社内文書、プライベートでは主にウェブニュースを読んでます。
初心者はスラッシュリーディングもおすすめです。私の同僚は、マウスで文をドラッグして反転表示させながら読んでました。
ライティング


英語で考え、英語でライティングしていきます。
仕事なので、相手に理解してもらってアクションを取ってもらうために書いてます。
チャンクで言いたいことを英語でリストして、構成を考えてつなぎ合わせて行く感じです。
※やり方の詳細については、次の記事に書いてあります。
》英語のライティングスキルが独学で上達する4つの練習と文章の書き方
仕事では毎日ライティングしてますが、プライベートでは全くやってないです。


リスニング


最近は動画でCEOのメッセージや社内連絡を視ることが多いです。
今は海外との電話会議は、ほとんどチャットに置き換えられてます。
プライベートでは、BBCニュースやYouTube動画でリスニングをやったりしています。
スピーキング


スピーキングはあまり機会がないので、練習できてない状況です。
仕事で英語チャットが主流です。チャットは記録が残るし、時間帯が異なるエンジニアともやり取りが出来るので、電話より優れています。
仕事では、海外のエンジニアと日本のお客様との間で通訳をしたり、海外マネージャーとの会議のときに話すことになります。
プライベートでのスピーキング練習ですが、最近はやってないです。昔は、次のようなことをやってました。
- スピーチの練習
- 瞬間英作文の問題集
向こうでは飲み会でスピーチをさせられたりします。いざという時のために適当な題目で3分くらいのスピーチを練習しておくといいです。
※スピーチについてはこちらに書いてますので、興味があれば参考にしてください。
》英語スピーチで使う出だしフレーズや表現


まとめ:仕事で使えば、英語の時間が増える
この記事では「仕事で英語を使うようにすれば飛躍的に英語の時間が増える」ことを解説しました。
わたしの周りでは、英語に限らず同じように仕事にして練習時間を増やす人が最近増えています。
空手、システマなど格闘技分野で顕著です。
私も、本業以外でブログで英語に触れるようになったので、また英語時間が増えてきています。
万人向けとはいきませんが、「こういう選択肢もあるよ」ということを知っておいていただけると嬉しいです。
おすすめのオンライン英会話のについては、以下の記事に書いてます。
英語の勉強方法については、以下の記事にまとめています。

