はなすことが苦手でも、最初になにか口に出せばどんどん言葉が出てくることはよくあることと思います。
英語も同じで「出だし」をなんとかすれば、なんとかなったりします。
今回はスピーチで使う出だしのフレーズをまとめました。
「スピーチをする機会なんてない」という人もいると思いますが、そういう人にもスピーチの練習はおすすめです。
実はスピーチの要素は普段の会話の中で使ういろいろな表現が凝縮されています。
手紙を書く、何かを説明する、会話を盛り上げる、こういったことがスピーチでまとめて練習できてしまうというスグレモノです。
私のかんたんなプロフィールです。
- 外資系IT企業に勤務、海外チームに所属してます。
- 30年以上英語を使って仕事をしてます。
- TOEICスコア860です。

- スピーチの構成を知りたい人 → スピーチの構成
- 出だしフレーズを知りたい人 → 出だしフレーズに使う表現
- アイスブレイクを知りたい人 → おまけ・アイスブレイクについて
スピーチの構成

スピーチというと、ビジネス用プレゼンテーションや基本講演のようなものを思い浮かべるかもしれません。
でもヨーロッパの人と飲み会をするとよく「なにか話せ」と言われたりします。
もしかしたらスピーチは向こうの人の文化なのかもしれません。
私も気軽な飲み会で急に言われて、困ったことがあります。
なのであらかじめ英語スピーチについて知って置くほうがよいでしょう。
導入・本文・結びの3つの要素がある
基本的に論文やエッセイと同じで構成があります。
導入・イントロダクション:挨拶や何を話すかを手短に説明する部分です。
本文・ボディ:メインになる部分です。ここもいくつかのトピックやストーリーに分かれることが普通です。
結び・クロージング:まとめとなる部分です。
上手なスピーカーも、この構成の中でジョークを挟んだり、盛り上がる印象的なフレーズを入れたりします。
時間は1分、3分、20分くらい
聴衆にとってはスピーチは短い方がいいに決まってます。学校で校長先生の長い話にうんざりした経験は皆さんしていると思います。
スピーチの長さはなるべく短めにします。
プレゼンや講演などは最初から制限時間が与えられていますが、気軽になにか話すときは1分や3分くらいでまとめる方がいいようです。
ビジネスでプレゼンをするときはだいたい20分くらいを目安にやっていました。

出だしフレーズに使う表現
導入・イントロダクションで使う出だしフレーズ

導入部は「つかみ」が必要な重要な部分です。だいたい3つの内容を考えます。
- あいさつ
- これから話すことをいう
- 全体の流れを伝える
ここでジョークを言うのもありですが、呼びかけで済むことも多いです。
要は聴衆に近づくことです。私のいちばん苦手なところでもあります・・・。
1.あいさつ
呼びかけ
最初はスピーチ相手に呼びかけから始まるのが常套です。
- Hi, everyone!
- Hey, guys,
- Hello, everyone
- Ladies and Gentlemen,
最初にお礼をいう
- Thank you for coming today to …
- I am happy/delighted (honored) to …
- Thank you for kind introduction, Mr./Ms …
自己紹介
もし自分のことを知らない人がいる場合、自己紹介します。
- First of all, please let me introduce myself.
- I am …
中には私をご存じの方もいるでしょう。またお会いできてよかったです。
- Some of you know me already, it’s nice to see you again.
またみなさんとお会いできて嬉しいです。
- It’s a pleasure to see you all.
2.これから話すことをいう
これから話すことを一言で話します。
- I have an announcement…
- Today, I am going to talk about…
- The purpose of my presentation is…
3.全体の流れを伝える
ストーリーを2つ以上のパーツに分けたとき、全体の流れを言います。
- I have three things I’d like to talk.
- First, … , Second, … . Third, … .
本文・ボディで使う出だしフレーズ

ここからはクイズ形式でやります(笑)。一文ずつの英訳になるので。
各ストーリーのはじめの出だしフレーズ
各ストーリーを始めるときの出だしフレーズになります。
話をつなげる出だしフレーズ
プレゼンや説明をするときはロジカルにすすめる必要があります。そういった場合の「つなぎフレーズ」です。
結び・クロージングでつかう出だしフレーズ

最後にまとめるときの出だしフレーズです。
おまけ・アイスブレイクについて

スピーチや講演は壇上に上がったときが一番緊張しています。その緊張は相手にも伝わっていて、警戒心が生まれます。
なので最初に場を和ませることをアイスブレイクといいます。ジョークを入れたり、聴衆に親近感を持たせるための工夫をしたりします。
導入・イントロダクションでアイスブレイクする
他愛もない会話なら問題ないですが、あちこちにジョークをランダムに入れるのはスピーチでは控えたほうがよいです。大抵の場合、ふざけた印象が強くなってしまいます。
ジョークはイントロダクション部分で済ませ、ポディでは論理的に話すのが無難です。
アイスブレイクの種類
ジョークを区分けすることは不可能ですが、できる範囲で分けてみました。
タイプ1:自虐を含めたジョーク
自分を下げて話すジョークです。
有名なところではスティーブ・ジョブズのスピーチがあります。
「世界最高峰の一つである大学の卒業式に同席できて光栄です。 私は大学を中退しているので、今日が人生で最も大学卒業に近づいた日です。」
スティーブ・ジョブズ
>>> ● Youtube動画:スティーブ ・ジョブズ・スタンフォード大・卒業式スピーチ・2005年
タイプ2:発想のさらなる追加
発想の組み合わせ、追加などのタイプです。オバマ大統領のサーモンの話などがいい例です。
分かりづらい話をわかりやすくするのに使えるとのことです。
「サーモンは淡水なら内務省の管轄だが、海水だと商務省になる。 燻製になるともっと複雑なことになると聞いている」
バラク・オバマ
>>> ● 関連リンク:すごい人ほど「自虐」がうまい アメリカ大統領のスピーチライターに聞く舞台裏
タイプ3:行動で笑いを取る
話すわけではなく、なにか周りをニヤッとさせる挙動をすることで、場を和ませる
上の関連リンクにもある、ビル・クリントンのエッグタイマーのエピソードが例になります。
アイフブレイクで使う出だしフレーズ
使えそうな出だしフレーズは「実を言うと」だとおもいます。わたしもよく使います。
いくつか言い方がありますが、3つほどご紹介します。
- truth be told
- to tell the truth
- actually
①は上のスティーブ・ジョブスが使ってましたが、よく使われるようです。
学校で習ったのは②だと思います。私は無難にこれを使います。
③は「実際はこうだった」という意味になります。
最後に

今回はスタンダードなスピーチスタイルに沿った出だしフレーズをご紹介しました。
ちなみに慣れてくるとクロージングでは記憶に焼きつくようなメッセージを入れて聴衆にアクションを促すテクニックもあるようです。
スティーブ・ジョブズなら「Stay hungry, stay foolish」、オバマ大統領なら「Yes, we can」が有名なところです。
メッセージを入れて盛り上げるのも一興ですね。


