英語の会話力をアップさせる!チャンク学習について徹底解説

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英語を話すときに英文がなかなか完成せず、会話が止まってしまう。

言いたいことが言えない。

文法的に正しい英語を話そうとすると、こういうことがよくあります。

でもネイティブスピーカーは英文法を意識しないで英語を話しています。

その理由がわかれば、私達も同じように英語を話せるようになれます。

その理由は、ネイティブスピーカーはチャンク(2つ以上の英単語でできた短い英文パーツ)を使って聴いたり話したりしている、からです。

なので私たちもチャンクを使えば、もっと楽に英語を聴いたり話したり出来るようになります。

この記事では、自由に言いたいことが話せ、理解できるようになる《チャンク》について紹介します。

この記事の内容:

・チャンクについての説明
・英語をチャンクで扱うメリットについて
・チャンクを使った《読む、書く、聴く、話す》の練習方法

チャンクは、語学の世界ではよく知られています。

単語単位ではなく、意味単位で区切った英単語の集まり《読む・書く・聴く・話す》を練習していくと、文法に縛られずに言いたいことが話せるようになることがわかっています。

「チャンクを使う」ことに慣れれば、日本語を介せずに外国語を話せるようになり、
読み書きや会話のスピードが格段に速くなります。

言い回しもネイティブに近くなり、ネイティブにとって分かりやすい英語になります。

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英語のチャンクとは

チャンクとは、英文を区切って出来た、2つ以上の単語からなる短い英文のことです。

英文を構成するパーツです。

たとえば、以下の文を考えてみます。

Sendai pub chain boosts performance with better work conditions.

Japan Times の記事より引用

チャンクで区切ると、次のようになります。

Sendai pub chain / boosts performance / with better work conditions

Sendai pub chain = 仙台のパブのチェーン店
boosts performance = パフォーマンスをアップする
with better work conditions = 労働環境の改善で

このように2つ以上の単語がくっついて、意味を表す英文パーツをチャンクと呼びます。

いわゆる「決まり文句」、「フレーズ」、「コロケーション」もチャンクです。

チャンクという言葉自体は「一塊(ひとかたまり)」という意味です。

英語のチャンクを練習する6つのメリット

英語をチャンクで練習すると、次のようなメリットがあります。

①文章がスムーズに理解でき、長文が読みやすくする:

英文を2〜3単語ごとに意味を取るようになるので、理解が速くなります。読解も速くなるので、文章全体の理解が速く正確になります。

②スピーキングやライティングのスピードが上がる:

2〜3単語ごとに英作文するようになるので、スピーキングやライティングのスピードが上がります。

③ 語彙が増える:

複数の英単語からなるチャンクを覚えるので、一度に複数の単語を覚えることができます。

④リスニング力が向上、理解も速くなる:

リスニングも2〜3単語ごと、チャンクごとに意味を取るようになるので、理解のスピードも上がります。

⑤ 自然な英語のリズムやイントネーションが身につく:

チャンクで2〜3単語をつなげて発音するようになります。

ネイティブスピーカーもチャンク単位で繋げて話すので、ネイティブに近い、自然なリズムやイントネーションが身につきます。

⑥ 効果的なコミュニケーションがとれるようになる:

自然な英語表現が身につき、分かりやすい英語を話すようになります。効果的なコミュニケーションがとれるようになります。

チャンクの区切り方

チャンクは意味単位で区切っていけば良いのですが、大体の目安として、ピリオド (.) やコンマ (,)、文法的に《句》や《節》で区切っていくのが通常のやり方です。

ここでは、次の3つの区切り方を解説します。

①文法的に区切る

》や《》の終わりは、チャンクの区切りになります。

》は「主語・述語が含まれていない英文のパーツ」
》は「主語・述語が含まれている英文のパーツ」

たとえば

Both Ann and Tom could not take exams.(アンとトムは試験を受けられなかった)

という文は

  • Both Ann and Tom(アンとトム)
  • could not take exams.(試験を受けられなかった)

という主語となる《名詞句述語となる《動詞句の2つから成り立っています。
これらはチャンクです。

また次の文、

Both Ann and Tom, who were late, could not take exams. (遅刻したアンとトムは試験を受けられなかった)

では who were late は Both Ann and Tom を修飾する形容詞節でこれもチャンクです。

②慣用句、決まり文句で区切る

決まりきった言い回しや、慣用句の終わりもチャンクの区切りになります。

たとえば

1.Can you please

2.You are welcome.

などです。

③息継ぎで区切る

息継ぎをするところもチャンクの区切りになります。

たとえば、次の文はイギリス人が物価の話をしている会話文です。 で息継ぎをしてますが、ここがチャンクの区切りです。

I think for most things it’s pretty pricey I think accommodation well, certainly buying accommodation – is probably one of the most expensive prices in the world and getting more and more expensive.

イギリス人はこう話す・こう考える」より引用

考えながら話しているので、途中で結構止まっています。
こういう息継ぎや思考が止まっているところもチャンクの区切りになります。

英語チャンクの長さはどれくらいにする?

英語チャンクの長さ問題:どこで区切る?

ところで、どれくらいの長さで「チャンク」に区切っていけばいいのでしょうか?
長すぎると大変だし、短すぎるのも奇妙な感じがするかもしれません。

でもそれには答えはなく、長さは自由にして良いのです。

ルールは「それぞれのチャンクが意味を持つこと」。これだけです。

英語チャンクの長さは自由

次の英文をチャンクに分割した例を見てみます。

  1. I have a pen =
    I (私)+ have (持つ)+ a pen (一つのペン)
  2. What is the difference between phrases and words =
    what(なに)+ is (ある) + the differences (違い)+ between phrases and words. (フレーズと単語のあいだ)

1 の文は誰がやっても同じになると思います。

2の文は人によって結果が違ってくると思います。例えば、次のような意見が出てくるでしょう。

  • 意見1:what と is は分けずに what is をひとつのチャンクとすべき
  • 意見2:the differences between phrases and words と、これをひとつのチャンクとすべき

どちら乃意見も正解です。「意味をもつ言葉の塊(かたまり)」であれば、それはチャンクだからです。

チャンクの長さは上達するほど長くなる

長さは、その時の自分の使いやすい長さにすればいいです。

誰でも上達していくとだんだんチャンクが長くなります。
理解できる長さが長くなっていくからです。

そのうち一文全部を英語で理解できるようになってきて、チャンクに分ける必要もなくなります。

ここまで区切るときの目安を書いてきましたが、

このチャプターの冒頭にも書いたように、実際は好きなように区切って問題はなく、自分がコントロールできる長さで区切るのが良いのです。

  • リーディングやリスニングのとき:自分の理解できる長さ。
  • スピーキングやライティングのとき:自分が覚えているチャンクをそのまま使う。

極端な話、2つ以上の句、節があるとてつもなく長いチャンクでも、自分がコントロールできる(意味が理解できて、使える)のであれば、それで良いのです。

好きなところで区切りましょう。

チャンクに必要な英文法《後置修飾》について

短い英文をつないで話したり、聴いたりするには、英語の構造を知っておくことも大切です。

ただの英文の羅列では、意味が通りづらいからです。

細かい英文法は必要ありませんが、文の構造についての一応の知識はあったほうがいいです。

《後置修飾》は日本人には不自然な感覚

日本語では言葉を修飾するとき、前から後に修飾します。

たとえば「私が買った花」という文では、
「私が買った」が「花」を修飾しています。

先に出てきた言葉が、後からつづいた言葉の情報を付加しています。

ところが欧米では、先に出てきた言葉を後ろから続いた言葉が情報を付加する言葉もあります。
フランス語などがそうです。

fleurs que j’ai achetées

fleurs =花
que j’ai achetées =私が買った

このように、後ろの言葉が前の言葉を修飾することを「後置修飾」といいます。
対して、前の言葉が後ろの言葉を修飾することを「前置修飾」と言います。

日本語は「前置修飾」だけです。
英語は、後ろからでも前からでも行けます。

※ 後置修飾については、次の記事で解説しています。
英文法:かんたんな英文なのにわからないのは後置修飾がつかわれているから

文構造についての《英文法》は必要

後置修飾は、言った言葉に言葉を追加していくことで意味が通じるので、言いたいことを考えながら話せるという利点があります。

ですが語順が日本語と逆なので、日本人には分かりづらい構造です。

この辺が日本人と英米人の感覚の違いです。日本人はつい先に話した言葉が、次の言葉を詳しくしていることを前提に、話を理解しようとしてしまいます。

英米人は逆なのです。

なので日本人はこれを意識する必要があります。してないと、意味が通じる英語を話すこともできないし、ぼーっとしてると意味が分からなかった、ということもあります。

なので英文法も、文構造については理解しておくことが大切です。英語の文構造は日本人には不自然なのです。

全ての英文法を知る必要はありませんが、最低限の英文法には慣れましょう。

※最低限の英文法については、次の記事で解説しています。
チャンクをつかう英文法:英語を話すための文法は5つだけで十分です

英語のチャンクを意識して《読む、書く、聴く、話す》をやってみよう

英語のチャンクを意識して《読む、書く、聴く、話す》をやってみよう

実際に4つの技能(読む、書く、聴く、話す)をチャンクを使ってやってみましょう。

具体的な方法について解説していきます。

リーディングは、英語チャンクごとに英語の語順で読んでいく

リーディングでは、英文を区切ってパーツ(チャンク)ごとに理解しながら読むようにします。

たとえば、こういう長い文があります。

Apple has unveiled the iPhone 14, with emergency satellite connectivity and car crash detection technology, at a launch event in the US.

(BBC Newsより)

このままだと読むのもつらいです。しかし次のように短く区切れば、意味がわかりやすくなります。

Apple (アップルは)
has unveiled (公開した)
the iPhone 14, (iPhone14を)
with emergency satellite connectivity (緊急時の衛星接続と)
and car crash detection technology, (車事故の検知のテクノロジーと供に)
at a launch event (発表イベントで)
in the US. (米国での)

※ チャンクを使ったリーディングについては、次の記事で書いてますので参照ください。
チャンク・リーディングを学ぶと、英文を英語のまま理解できるようになります

リスニングでもチャンクごとに意味をとっていく

リスニングもリーディングと同じで、聞こえた英文をパーツ(チャンク)ごとに意味を取りながら聴く練習をします。
ただリーディングと違い、時間的余裕もありません。なのでとにかく、

聞こえたパーツから、ひたすら意味を取っていきます。

例えば Thank you は訳さなくてもわかりますよね?

最初はこのような2〜5単語程度の短い文から始めます。

聞き取れなかったら戻ったり、再生スピードを落としたりしましょう。

スピーキングではチャンクを英語の語順で口に出す

今まで覚えた英語のチャンクを使って、瞬間英作文をします。

はじめから一文を作ろうとする必要はありません。

出だしで主語・述語のパーツ(チャンク)や決まりフレーズ。そこにまた英語のパーツ(チャンク)を付け足していけばOKです。

詳しくは次の記事に書いてますので、参照してください。
英語のスピーキング:だれでも話せるシンプルな方法と独学練習法3選

ライティングもチャンクをつかって

ライティングもスピーキングと同じで、英語のパーツ(チャンク)をつないで文を作っていきます。

主語・述語チャンクを書き、目的や時間、場所の情報をチャンクで付け足していきます。

文法を守ろうとするより、語順で書いていきましょう。

このように、チャンクを付け足すやり方をすると、スムーズに長い文が書けるようになっていきます。

ライティングについては次の記事に書いています。構成についても書いてますので、参考にしてください。
ライティングがみるみる上達する!英作文・エッセイの書き方を徹底解説!

英語チャンクのおすすめ参考書

英語チャンクのおすすめ参考書

最後に「チャンク関連の書籍」を紹介します。

おすすめは以下の3冊(プラス1冊)です。

チャンク英文法

チャンク英文法

チャンク英文法」は英語のチャンクの第一人者、田中茂範先生と他のかたの共著です。

英語のチャンクについて、ほぼすべてが網羅されています。
文章が多く、少しわかりにくいところもありますが、必読の参考書です。

チャンク英文法―文ではなくてチャンクで話せ!もっと自由に英語が使える

これなら話せる★チャンク英会話

これなら話せる★チャンク英会話

これなら話せる★チャンク英会話」も田中茂範先生の本です。英語チャンクの考え方で、日常で使われる慣用表現840を紹介しています。

  • 行為を表す慣用チャンク表現 (提案する・頼む・謝るなど)
  • 感情を表す慣用チャンク表現 (驚き・感動・悲しみなど)
  • 会話をコントロールする表現
  • チャンクを繋いでいく「チャンキング」

チャンキングは、情報を英語チャンクで「付け足し」ていくことで、この記事に書いた《話す・書く》ときの方法です。

これなら話せる★チャンク英会話(CD-ROM付)

クラウン チャンクで英単語 シリーズ

クラウン チャンクで英単語 シリーズ

チャンクで英単語」シリーズは、2023年のNHK英語講座で講師を務める、投野由紀夫先生の著書です。
チャンクを意識しながら、ボキャブラリーを増やしていく本です。

Basic, Standard, Advanced と3種類あり、レベルにあわせた英単語集になっています。

コロケーションや慣用表現、フレーズを理解するのにおすすめです。

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編集:投野由紀夫
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番外編:発想の英文法―チャンクだから話せる

発想の英文法―チャンクだから話せる

私がはじめて「チャンク」を知ったのは、この《発想の英文法―チャンクだから話せる》という本です。

おかげさまで、だいぶ会話や英文メールが楽になりました。

今でも古本で手に入りますので、よければ手にとってみてください。
発想の英文法―チャンクだから話せる

まとめ:英語チャンクを使えば英語力が飛躍的に伸びる

今回は語学習得の要となる、チャンクについて解説しました。

この記事の内容:

・チャンクについての説明
・英語をチャンクで扱うメリットについて
・チャンクを使った《読む、書く、聴く、話す》の練習方法

英語をチャンクで学習しているうちに、「英文はチャンク同士をつなげたもの」ということがわかってきます。

なのでチャンクの意味を日本語を使わずに理解していくと、直接英語を理解できるようになります。

やってみてください!

チャンクの基本、名詞チャンクについては次の記事で解説しています。

動詞チャンクについての情報は、次の記事で解説しています。

副詞チャンクは種類が豊富です。

会話に必要な最小限の英文法については、次の記事で解説してます。

次の記事では、おすすめのオンライン英会話Cambly(キャンブリー)を紹介しています。

ショート動画で学習すると、チャンクや英語表現を効率よく学べます。

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