【語呂合わせ不要】英語チャンクのボキャブラリーを科学的に増やす
英語を勉強していると、誰もがこう思ったことはあると思います。
- 英単語がなかなか覚えられない。
- 覚えたはずの英単語が思い出せない。
- 苦労ばかり多くて、もっと楽に覚えたい。
私もそうでしたが、覚えようとするあまりアウトプットをおろそかにしていたり、ひとつの単語を長時間繰り返したりしてた気がします。
この記事では、やるだけで「使える英語のボキャブラリー」が自然と増えていく方法を紹介します。
それは
- 直接「英語(名)」を口にすること
- 思い出す回数を増やすこと
の2つです。
この方法をやっていくと、自然に口から英語が出るようになります。
科学的にボキャブラリー(語彙)を増やすマインドセット
まずはじめに、「忘却曲線」と「日本語を使わずに覚える」ことについて、解説します。
- 忘れにくくするための理論を知る
- 「覚える」ではなく「出会い」を増やす
- 日本語を使わずに覚える
忘れにくくするための理論を知る
エビングハウスの忘却曲線というのをご存知でしょうか?
ざっくりいうと「人は覚えたことをどれくらいの時間をかけて、どれくらいの割合で忘れていくか」という研究です。
その研究の中から、一度覚えたことを忘れにくくするには、次のように繰り返し学習し、記憶を長期記憶にスイッチさせることが効果的であるということがわかってきました。
たとえば次のように復習します。
- 1回目:24時間以内に10分間の復習
- 2回目:7日後に5分間の学習
- 3回目:30日以内に2~4分の学習をする
このような時間間隔で何度か復習すると、忘れにくくなると言われてます。
「覚える」ではなく「出会い」を増やす
英単語も同じようにします。ある単語を覚えたいとき、その単語を
- 目にして、
- 口に出して、
- フレーズを口に出す
とやります。数秒で済みます。
単語帳でも、
- 上のことを一単語ずつやる
- 数ページ先まで進める
- 戻ってまた、やりなおす
を繰り返します。そして数日後、次に数週間後に復習します。
こうやって覚えようとするのではなく「出会い」を増やすように復習すると、記憶が短期から長期に移行し、忘れにくくなります。
日本語を使わずに覚える
子供は絵を見て名前を覚えてます。たとえば幼稚園で先生がイラスト(紙芝居)を子供に見せて
「これはなにかな~?」
と訊くと、子どもたちが
「うさぎ~」「猫~」「カエル~」
とやっている光景はよく見ますね。ああやって子供は日本語をおぼえます。
英語で同じことをすると、物を見てすぐに英語名が出てくるようになります。
私達大人も同じことをすれば、物を見て英語が出てくるようになります。
この方法でボキャブラリー(語彙)を増やすメリット
この記事で紹介している方法で覚えていくと、次のようなメリットがあります。
- 会話の受け答えが速くなる:
語呂合わせも使いませんし、日本語も使いません。
直接記憶しているので、会話の受け答えが速くなります。 - 自然に頭に入る:
ただやるだけで自然に頭に入ってきます。
ですので、覚える労力や努力が減ります。 - リスニングやリーディング力があがる:
英語を聴いたり、英文を読んだりしているとき、直接意味がわかるようになります。
なのでリスニングやリーディングのスピードが上がります。
デメリットとしては「逆に日本語が出てこないことがある」ですが、問題になることはほとんどないでしょう。
ボキャブラリー(語彙)を増やす学習方法5選
次に実際にボキャブラリー(語彙)を増やす方法を紹介します。次のような方法があります。
①ものを見て「英語名」を口に出す
②単語帳や百科事典を数ページごとに繰り返す
③自分の動作を英語で口に出す
④文章からチャンク(フレーズ)を抜き出して覚える
⑤チャンクや単語を紙に書いて、持ち歩く
注意:以下は「出会いの回数を増やして覚える」ことを前提として書いてます。
①ものを見て「英語名」を口に出す
身の回りのものを指差して英語名を言っていきます。
このとき「口に出す」ことが重要です。アウトプットすることで「覚えたつもり」になることを防ぎます。
※人間の脳はいい加減なので、おぼえてないことも覚えてると錯覚することがよくあります。
②単語帳や百科事典を数ページごとに繰り返す
身の回りのものをある程度こなしたら、次にビジュアル単語帳や百科事典でイラストを見て「英語名」を口に出していきます。
どんどん回答を見て、先に進んでください。20から30ワードをこなしたら戻る、という感じで繰り返します。
※使う本は次の記事で紹介してますので参考にしてください。
初心者や、日常英語におすすめなのは「New Oxford Picture Dictionary」と「超整理!TOEIC®テスト ビジュアル英単語」です。
③自分の動作を英語で口に出す
自分の動作を英語でつぶやきます。
I have got up.
I am going to take a shower.
などです。
全部 I (アイ)から始めるので文法的にはかんたんだと思います。
慣れてきたら
「今朝やったことだから、過去形で言ってみるか」
「明日のことだから、未来形か」
などと少しずつ表現の幅を広げていくと良いです。
④文章からチャンク(フレーズ)を抜き出して覚える
テキストやインターネット、YouTube などで、気になった英文に出会ったら、そのフレーズを抜き出して、メモしておぼえます。
特に音読やリーディングの練習のときに、知らなかったフレーズをメモリましょう。
この方法は、実際に使っている英文から抜き出しているので、最初から実用的な形で頭にインプットされます。
すぐに使えるようになるのが利点です。
⑤チャンクや単語を紙に書いて、持ち歩く
チャンクや英単語を紙に書いて持ち歩き、時間があるときに見る方法も効果的です。
単語カードでも良いです。
試験勉強など、短期でできるだけ多く覚えるのに効果があります。
ちなみに私は、次のようにしています。
- A4の紙を4枚つなげてA2の紙を作る(折って持ち運べる)
- カンニングペーバーのように小さい文字で「英単語:意味」を書いていく
- 毎日持ち歩いて、時間があるときに見る
まとめ
この記事では、使えるボキャブラリーを増やす方法について解説しました。
次の2つをやれば、それほど苦労することもなくボキャブラリーが増えていきます。
- 直接「英語(名)」を口に出すこと
- 思い出す回数を増やすこと
いざという時に使える英単語や表現を身につけたい人におすすめです。
【追記】ほかにも方法があります
少数の単語を集中して覚えたいとき
数十個の単語を集中して覚えたいときがあります。かなり疲れますが、効果的な方法があります。
- どの単語からどの単語まで覚えるのか、ターゲットを明確にします。
- ひとつの単語に30秒、時間を取ります。
- その30秒の中で、その単語を何度も口に出し、複数の英文や英文チャンクを口にします。
- 30秒たったら、次の単語に進みます。すべての単語が終わったら終了です。
- これを数日ごとに繰り返して、頭に定着させます。
その単語を何度も目にして、口に出して、その単語をつかってフレーズを口に出していきます。
そうすれば何度も繰り返したことになります。
30秒の中でそれをなんども繰り返すことで、短い期間に何度も出会ったことになります。
経験上、とても理にかなっているやり方だと思います。
見えない物のビシュアルをGoogleを使って見つける
見えるものはイラストで覚えていけばいいです。では、目に見えない概念などはどうすればいいでしょう?
対義語や類義語で覚えていく、チャンクで覚えていく、などがありますが、Google検索で概念をビジュアライズしたものを見つける、という方法があります。
Google 検索で単語を調べたとき、[全体 (All) ] の右側にある [画像 (Images) ] をクリックすると画像の検索結果が表示されます。
これを見て、その単語のもつニュアンスを “理解” します。
(英語のサイトにアクセスするには https://www.google.com/webhp?gl=us&hl=en を使います。)
たとえば「impel」のビシュアルを見たいとします。上の URL で 「impel」 を検索し、そのあと All のとなりの Images をクリックします。結果は下のとおりです、
レタリングばかりになってしまったので、ちょうどいい [clipart] をクリックしてみますと、以下のように Impel のイメージが伝わる画像が表示されます。
Impel は force と同じく「相手に強いる」という意味がありますので、そんなイメージの画像を見ることができました。