動詞チャンク:動詞・述語のはたらきで、アクションや状態を表す英語チャンク

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この記事では、チャンクの一つである動詞チャンクについて解説します。

動詞チャンクは英文の述部にあたるチャンクで、アクション(動作)や状態を表します。

コンテンツ

英語の動詞チャンクについて、その範囲

動詞の役割をするチャンクを動詞チャンクといいます。

動詞チャンクの範囲は、次のようになって、動詞句だけではなく、目的語や補語までおよびます。

動詞チャンクの範囲:

  • 助動詞
  • 動詞(単体、複数)
  • 影響がおよぶ対象(目的語や補語や前置詞句)

例えば、SVOO文型 だと VOO、SVOC文型だと VOC が動詞チャンクになります。

  1. (I) would appreciate it.
  2. (The dish) broke.
  3. (He) looked happy (this morning).
  4. (The boy) got injured (in front of the door).
  1. (私は)歓迎します。
  2. (その皿は)壊れた。
  3. (彼は)(今朝)幸せに見える。
  4. (その少年は)(ドアの前で)怪我をした。

カッコ ”()” で囲まれていない部分が全て動詞チャンクです。

個人的には、目的語は目的格の名詞チャンクや形容詞と言う位置づけでいいとおもってますが、ここでは標準に合わせます。

英語動詞チャンクの構造

動詞チャンクは、上に書いたように助動詞、動詞、その対象、の3つからなります。
順番も次のように決まってます。

助動詞動詞(単体、複数)対象

助動詞や対象は省略されることもあります。

要素①:助動詞

助動詞については、法助動詞として別の記事で解説しています。
英文法:法助動詞は「出だし」で微妙なニュアンスを伝える

要素②:一般動詞、連結動詞、句動詞など

「複数の動詞」は、一般動詞連結動詞句動詞などからなります。

※動詞の分類の仕方はいろいろあります。ここでは連結動詞と句動詞、それ以外は一般動詞に便宜上、分類して説明しています。

動詞の種類:

  • 一般動詞
  • 連結動詞
  • 句動詞
一般動詞とは ?

一般動詞》とは、「動作」や「状態」をあらわす普通の動詞のことです。

一般動詞の例:

  • 動作:go(行く)・come(来る)・read(読む)など
  • 状態:know(知っている)・like(好む)・think(思う)など
連結動詞(Linking Verb)とは?

連結動詞》とは、主題(subject)を 述部(predicate)と繋げる動詞です。それ自体は状態を表す、 “Action”のない動詞です。

代表的なものは be動詞です。その他にもいろいろあります。

詳細については、こちらで説明しています。

句動詞(Phrasal Verb)とは?

2語以上の単語からなる動詞です。群動詞、phrasal verb とも言います。

句動詞の例:

  1. I’ll look after my kids. (私は私の子供の世話をしよう)
  2. He entered into the discussion with enough evidence. (彼は充分な論証を持って、話し合いに入った)
  3. Turn to the page 15 in your textbook. (テキストの15ページをめくってください)

句動詞は量が多く、ボキャブラリーとしておぼえていくのが良いです。

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要素③:対象

名詞チャンク、もしくは形容詞か前置詞句が対象になります。

名詞チャンクのケース

I got to the hotel where we had stayed previously. (以前泊まったホテルに到着した)

上記のオレンジ部分が目的格の名詞チャンクになります。(赤色とオレンジ色が動詞チャンクです)

名詞チャンクについては、次の記事で解説しています。
チャンクの基本は名詞チャンク

形容詞のケース

I felt sad. (私は悲しく感じた)

おなじくオレンジ部分が形容詞になります。

「形容詞チャンク」という分類はありません。
形容詞は名詞を修飾するので、名詞チャンクの一部となるからです。

《形容詞句》という2つ以上の単語からなる形容詞の役割をもつ句の分類はあります。
チャンクは「意味を持つ」単位で区切るので、《形容詞句》もチャンクの一種と言えます。
ですが名詞を修飾するので、やっぱり名詞チャンクの一部になります。

形容詞の叙述用法や比較については、別の記事に書く予定です。

前置詞句のケース

I stood in front of the door. (私は、そのドアの前に立っていた)

おなじくオレンジ部分が前置詞句になります。

連結動詞の具体例

最後に連結動詞の具体例を説明します。

連結動詞は主語と述部をつなげるものです。述部に成るのは形容詞、不定詞、分詞などです。
連結分詞は分類すると、次の4つになります。

  • 「あること、状態」を示す Be動詞
  • 「そのまま」維持を意味する動詞
  • 「感じる」感知を意味する動詞
  • 「変わる・成る」変化を意味する動詞

①「あること、状態」を示す be動詞

be動詞は「そこにある」という存在、もしくは状態を表現しています。イコールではなく、ただ「ある」ことを表現します。

主語の存在を示す be動詞の例を見る

この場合は、普通場所を示す単語もしくはチャンクが続きます。

He was in front of the door. (彼はドアの前にいた)

主語の状態を示す be動詞の例を見る

形容詞や分詞が続きます。主語の状態を説明する形容詞や分詞が続きます。

  1. I am happy. (私はハッピーです)
  2. He was playing a guitar. (彼はギターを弾いていた)
  3. The letter was written by him. (その手紙は彼によって書かれた)

②「そのまま」維持を意味する動詞

そのままの状態を維持する、という意味を持つ動詞です。よく使われるのはbe動詞以外では次の3つになります。

1. keep
2. remain
3. stay

1. keep を使った例を見る
  1. She kept away from the door. (彼女は、ドアから離れている)
  2. keep going (そのまま進め)
2. remain を使った例を見る
  1. He remains seated (彼は座ったままです)
  2. All other assignments remain the same (他に担当の変更はありません)
3. stay を使った例を見る
  1. He stayed awake all night (彼は夜通し、起きていた)
  2. He stayed at home. (彼は家にいた)

③「感じる」感知を意味する動詞

「感じる」「感知する」を意味する動詞です。転じて、「何となく感じる」「雰囲気を感じる」という主観的な表現に使われます。

断言できないこと、遠慮しながら話すときによく使われるため、ビジネス英語では必須です。

1. seem
2. appear
3. look
4. feel
5. smell
6. sound
7. taste

1. seem を使った例を見る
  1. You seem to be exhausted recently(最近疲れてるようにみえるね)
  2. This project seems to be going well(このプロジェクトはうまく進んでいるみたいだね)
  3. It seems like you know everything(君はすべてを知っているようだ)
2. appear を使った例を見る
  1. It externally appears to be a weapon. (外見は武器のように見える)
  2. It appears that the typhoon has already calmed down. (台風はすでに弱くなっているようだ)
  3. He appears to be strong and healthy. (彼は、つよくて健康的に見える)
3. look を使った例を見る
  1. He looks happy (彼は、上機嫌にみえる)
  2. He looks young for his age (彼は、彼の年齢にしては若く見える)
  3. It looks like you know everything. (君はすべてを知っているようだ)
4. feel を使った例を見る
  1. I feel like I’m getting a cold. (寒くなってきた)
  2. I feel like no one understands me. (だれも私を理解してないと感じる)
  3. I feel like playing tennis today. (今日はテニスをしたい)

※ 3. は少し用法が違って、慣用句です。feel like ~ing で「~をしたい」という意味になります。

5. smell を使った例を見る
  1. It smells awful. (ひどい匂いがする)
  2. The flower smells good (この花は、いい匂いがする)
6. sound を使った例を見る
  1. It sounds like you are tired. (だいぶお疲れのようだ)
  2. It sounds too good to be true.(夢のような話だ)
  3. It sounds fun. (それはおもしろそうです)
7. taste を使った例を見る
  1. This ramen tastes good (このラーメンは美味しい)
  2. This fruit tastes sour.(この果物はすっぱい味がする)

④「変わる・成る」変化を意味する動詞

「変化があった」「結果的になった」という状態を意味します。

be動詞と置き換えて(状態のまま ⇔ 変化)のように対比されることが多いです。
例えば be injured は「けがをした状態」を指し、get injured は「けがをした」という変化・結果を指します。

1. become
2. get
3. come
4. go
5. grow
6. fall
7. turn

1. become を使った例を見る
  1. He became poor. (彼は貧乏になった)
  2. It became evident that something was wrong.(何かがおかしいことは明らかだ)
  3. It became clear to me why my proposal was rejected. (なぜ私の提案が拒否されたのかハッキリ分かった)
2. get を使った例を見る
  1. She got married. (彼女は結婚した)
  2. He got upset. (彼は動揺した)
  3. I got cold.(寒くなった)
3. come を使った例を見る
  1. Your dream will come true. (君の夢はかなう)
  2. She came to see me off. (彼女は私を見送りに来てくれた)
  3. I came to say over at my friend’s house.(友達の家に泊まりに来た)
4. go を使った例を見る
  1. I went to buy groceries today. (今日は買い出しに言ってきました)
  2. The company went bankrupt. (その会社は倒産した)
5. grow を使った例を見る
  1. The plants grow wild by the river (その植物は、川の近くで自生している)
  2. Victor seemed to grow taller every day. (ヴィクターは、毎日成長しているようだ)
  3. The sound was growing louder. (その音は、どんどん騒がしくなっていった)
6. fall を使った例を見る
  1. I cannot fall asleep until 10 p.m. (私は午後10時まで、寝ることができない)
  2. He fell in love with the property. (彼は、その土地に首ったけになった)
7. turn を使った例を見る
  1. Then it turned cold and started to rain. (そして寒くなり、雨が降ってきた)
  2. His face turned pale. (彼の顔色が、青白くなった)
  3. Their relationship turned sour. (彼らの関係は、悪くなった)

まとめ

動詞の役割をする「動詞チャンク」について解説しました。

チャンクを含め、英会話に必要最小限の英文法について、次の記事でまとめています。

チャンク全般については、次の記事で解説しています。

チャンクの基本、名詞チャンクについては、次の記事で解説しています。

法助動詞については、次の記事で解説しています。

副詞チャンクについては、次の記事で解説しています。

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