英文法:「連結動詞」は知らない人は多いけど助動詞っぽく使えて便利
動詞チャンクによく使われる「連結動詞」について解説します。
「連結動詞」という名前は聞いたことがあっても、実際はどういうものか詳しくは知らない、という人は多いのではないでしょうか。
でも助動詞っぽく使えるので、大変便利です。
日本では習いません(実は習ってます)が、20個程度なので覚えてしまえばかんたんです。
このページは、動詞チャンクの記事から分岐、加筆したものです。
英語の連結動詞(Linking Verb)とは
連結動詞(Linking Verb)とは?
《連結動詞》とは、主題(subject)を 述部(predicate、述部形容詞を含む)と繋げる動詞です。それ自体は状態を表す、 “Action”のない動詞です。
代表的なものは be動詞です。その他にもいろいろあります。
わりと自然に使っている連結動詞
連結動詞という言葉じたいは、知らなくても大丈夫です。
コロケーションや語法をチャンクで覚えていくうちに自然に習得していくものだからです。
でも知識として知っておくと、ちょっと複雑な英文を理解するときに使えるので、便利です。
例えば、次の動詞が連結動詞です。
He appears to be strong and healthy. (彼は、つよくて健康的に見える)
このように後ろに動詞が来ると、助動詞的な意味合いになります。また、
You look tired. (疲れているように見えます)
後ろに叙述形容詞が来ると、状態を表す動詞になります。
状態を示す一般動詞と何が違うのか
一般動詞には、状態を示すものがあります。それらと連結動詞との違いは何でしょうか。
- 一般動詞は、その後ろに直接目的語(名詞、名詞チャンク)が続きます。
- 連結動詞は、その後ろに述語名詞、もしくは叙述形容詞が来ます。
ひらたく言うと、第二文型の
SVC (主語+動詞+補語)
のときに使っている動詞は連結動詞、ということになります。
連結動詞の使い方
連結動詞は主に次の2つの使い方をします。
SVC (主語+動詞+補語)の使い方
文法的によく知られているのは、SVC の文型(主語+動詞+補語)での使い方です。
He remains seated (彼は座ったままです)
文法事項というより、ほとんどの人は自然と使っており、
チャンクのボキャブラリーが増えてくれば自然と習得しているものです。
助動詞的な使い方
助動詞的な使い方で、言いたいことのニュアンスを表現することができます。
You seem to be exhausted recently(最近疲れてるようにみえるね)
上に「連結動詞は、その後ろに述語名詞、もしくは叙述形容詞がくる」と書きましたが、その述語名詞が単語ではなく、複数の英単語からなる文字列「名刺チャンク」になっていると考えることができます。
話すときは、そんな難しく考える必要はありません。私は「助動詞っぽくつかえる動詞」とおもって使っています。
丁寧な言い方や、微妙なニュアンスを出す必要があるときに、便利です。
これも文型的には、「第二文型」です。
英語の連結動詞(Linking Verb)の一覧
連結動詞の具体例を説明します。
分類すると、次の4つになります。
- 「あること、状態」を示す、 Be動詞
- 「そのまま」維持を意味する、 Be動詞以外の動詞
- 「感じる」感知を意味する、主観を示す動詞
- 「変わる・成る」など、変化を示す動詞
数は20程度で少ないので、覚えてしまって、どんどん使っていくようにしましょう。
①「あること、状態」を示す be動詞
be動詞は「そこにある」という存在、もしくは状態を表現しています。イコールではなく、ただ「ある」ことを表現します。
主語の存在を示す be動詞の例を見る
この場合は、普通場所を示す単語もしくはチャンクが続きます。
He was in front of the door. (彼はドアの前にいた)
主語の状態を示す be動詞の例を見る
形容詞や分詞が続きます。主語の状態を説明する形容詞や分詞が続きます。
- I am happy. (私はハッピーです)
- He was playing a guitar. (彼はギターを弾いていた)
- The letter was written by him. (その手紙は彼によって書かれた)
②「そのまま」維持を意味する動詞
そのままの状態を維持する、という意味を持つ動詞です。よく使われるのはbe動詞以外では次の3つになります。
1. keep
2. remain
3. stay
1. keep を使った例を見る
- She kept away from the door. (彼女は、ドアから離れている)
- keep going (そのまま進め)
2. remain を使った例を見る
- He remains seated (彼は座ったままです)
- All other assignments remain the same (他に担当の変更はありません)
3. stay を使った例を見る
- He stayed awake all night (彼は夜通し、起きていた)
- He stayed at home. (彼は家にいた)
③「感じる」感知を意味する動詞
「感じる」「感知する」を意味する動詞です。転じて、「何となく感じる」「雰囲気を感じる」という主観的な表現に使われます。
断言できないこと、遠慮しながら話すときによく使われるため、ビジネス英語では必須です。
1. seem
2. appear
3. look
4. feel
5. smell
6. sound
7. taste
1. seem を使った例を見る
- You seem to be exhausted recently(最近疲れてるようにみえるね)
- This project seems to be going well(このプロジェクトはうまく進んでいるみたいだね)
- It seems like you know everything(君はすべてを知っているようだ)
2. appear を使った例を見る
- It externally appears to be a weapon. (外見は武器のように見える)
- It appears that the typhoon has already calmed down. (台風はすでに弱くなっているようだ)
- It appears unlikely that interest rates will fall further.(金利がさらに下がることは、まずありえないでしょう)
3. look を使った例を見る
- He looks happy (彼は、上機嫌にみえる)
- He looks young for his age (彼は、彼の年齢にしては若く見える)
- It looks like you know everything. (君はすべてを知っているようだ)
4. feel を使った例を見る
- I feel like I’m getting a cold. (寒くなってきた)
- I feel like no one understands me. (だれも私を理解してないと感じる)
- I feel like playing tennis today. (今日はテニスをしたい)
※ 3. は少し用法が違って、慣用句です。feel like ~ing で「~をしたい」という意味になります。
5. smell を使った例を見る
- It smells awful. (ひどい匂いがする)
- The flower smells good (この花は、いい匂いがする)
6. sound を使った例を見る
- It sounds like you are tired. (だいぶお疲れのようだ)
- It sounds too good to be true.(夢のような話だ)
- It sounds fun. (それはおもしろそうです)
7. taste を使った例を見る
- This ramen tastes good (このラーメンは美味しい)
- This fruit tastes sour.(この果物はすっぱい味がする)
④「変わる・成る」変化を意味する動詞
「変化があった」「結果的になった」という状態を意味します。
be動詞と置き換えて(状態のまま ⇔ 変化)のように対比されることが多いです。
例えば be injured は「けがをした状態」を指し、get injured は「けがをした」という変化・結果を指します。
1. become
2. get
3. come
4. go
5. grow
6. fall
7. turn
1. become を使った例を見る
- He became poor. (彼は貧乏になった)
- It became evident that something was wrong.(何かがおかしいことは明らかだ)
- It became clear to me why my proposal was rejected. (なぜ私の提案が拒否されたのかハッキリ分かった)
2. get を使った例を見る
- She got married. (彼女は結婚した)
- He got upset. (彼は動揺した)
- I got cold.(寒くなった)
3. come を使った例を見る
- Your dream will come true. (君の夢はかなう)
- She came to see me off. (彼女は私を見送りに来てくれた)
- I came to say over at my friend’s house.(友達の家に泊まりに来た)
4. go を使った例を見る
- I went to buy groceries today. (今日は買い出しに言ってきました)
- The company went bankrupt. (その会社は倒産した)
5. grow を使った例を見る
- The plants grow wild by the river (その植物は、川の近くで自生している)
- Victor seemed to grow taller every day. (ヴィクターは、毎日成長しているようだ)
- The sound was growing louder. (その音は、どんどん騒がしくなっていった)
6. fall を使った例を見る
- I cannot fall asleep until 10 p.m. (私は午後10時まで、寝ることができない)
- He fell in love with the property. (彼は、その土地に首ったけになった)
7. turn を使った例を見る
- Then it turned cold and started to rain. (そして寒くなり、雨が降ってきた)
- His face turned pale. (彼の顔色が、青白くなった)
- Their relationship turned sour. (彼らの関係は、悪くなった)
動詞チャンクについては、次の記事で解説しています。
チャンクを含め、英会話に必要最小限の英文法について、次の記事でまとめています。
チャンク全般については、次の記事で解説しています。
チャンクの基本、名詞チャンクについては、次の記事で解説しています。
法助動詞については、次の記事で解説しています。