英語超長文をチャンクリーディングで読みこなす
大学入試の英語問題の中の英語長文読解問題。
一番長いのは東京工業大学の2000ワードだそうです。
これは30年前も同じでした。
千葉大もたしか多かった気がします。
最近、機会があって確認したのですが、状況はあまり変わっていなかったです。
ところが外資系企業に就職すると、
そんなものではありません。英語の書類ばかりです。
プリントアウトすると
厚さ20cmぐらいのマニュアルとか、普通にありました。流石に読み通しはしませんでしたけど。
またアメリカの大学では
図書館の本を数冊借りてきて
全部読んで予習してから授業を受けたり
課題をこなすためには
大量の本を英語で読みこなしていかなければならない、というようなことがあるそうです。
「あぁ、大変だなー。」と思いました。
ということで、
今回は 英語の超長文を具体的に
どうやって読み下して行くか?について
そのやり方を解説します。
このやり方に慣れると、
大学入試の問題くらいだったら、平気で読めるようになります。
英語の超長文をチャンクを使って読むコツ
英語の長文を読むときのコツ、
戦略について解説して行きます。
前提として、
「普通に英語が読めること」(チャンクリーディングを含む)
がありますが、
とにかくまず、その方法について解説します。
事前準備:わからないことはすぐに調べられる環境をつくる
テスト中はできませんけれど、
わからない単語や表現があったら、すぐに調べるように環境を作りましょう。
スマホがあれば、
知らない単語や表現をすぐ確認できます。
私はパソコンの前で作業することが多いので、パソコンで調べることが多いです。
Google検索の検索窓に、
その単語と、「英語」と検索すれば、
すぐに意味が出てきます。
と入力すれば、すぐ意味がでてきます。
結果がイマイチだったら、別のサイトも併用します。
私がよく使うサイトは、次の3つです。
✓ 英語の翻訳に使えるサイト:
読み始める前:概要と目的を明確にする
次に本を手に取り、
「さあ、読もう!」
と読み始める前に、ちょっと待ってください。
超長文を読み始める前にはまず、次のことをしてください。
①その文章の概要を理解すること
②その文章からどういう情報を取得したいかを明確にすること
①概要を把握すること
やり方としては、以下の3つの方法があります。
1)目次を読んで、概要をつかむ
目次を読むと、その書籍の構成がわかり、また知りたい情報がどの部分にあるのか、目星をつけることができます。
他の部分は飛ばして、必要なところだけ読めばいいので、時間の節約になります。
日本の書籍でも同様なことができます。
速読のテクニックの一つではありますが、
アメリカの大学では当たり前のテクニックで、それほど特殊なことではありません。
2)見出しを読んで、概要をつかむ
目次がなくても、見出しだけでも読んでいくと、だいたいの内容を把握することができます。
その際に、ポストイット(付箋)をつけていくと、後から探しやすくなります。
3)パラグラフの最初の文だけ読んで、概要をつかむ
テストなどの「目次も見出しもない文章」では、パラグラフの最初の文だけを拾い読みしていく。
くわしくは後述しますが、
英文は最初にメインメッセージを書くため、
こういうことができます。
日本語だとできないことも多いです。
②知りたい情報を明確にすること
小説などでは、こういうことはしませんが、
調べ物のときは、必ずします。
何を知りたいかを明確にしておくと、
流し読みをしていても、キーワードが目につくのです。
テストのときも同じで、
先に問題文を読んでおくと、答えが書いてある部分を見つけやすくなります。
- テストなら、問題文を先に読んでおく
- 課題があれば、課題文を先に読んでおく
- マニュアルや資料なら、どういう情報が欲しいのか、明確にしておく。
読書中:読み始めたら、ブックマークをつけていく
あとは読む進めるだけです。
チャンクリーディングで、どんどん読み進めていきます。
キーワードを見つけたり、
大切なことが書いてあったら、
メモをしたり付箋をつけておくなど
で、後で読み返すことが出来るようにします。
読書中:どうしても意味がわからないときは英文法に戻ろう
これもテスト中だとできませんが、
どうしても意味がわからないときは、
問題集なら回答、なければ英文法に頼りましょう。
それでもチャンクで理解していると、
文の区切りがなんとなく感じることが出来るため、
「ボキャブラリー不足でわからない」というパターン以外、
意味がわからないということは、まずありません。
でももしわからなかったら、英文法に頼るのが良いです。
◇◇◇
最終手段は DeepL をつかいますが、
使ったらかならず、
「なんでそういう翻訳結果になったのか?」
かならず英文法で分析しましょう。
※ 必須の英文法については、次の記事にまとめています。
》【話すための文法】使える英文法は最低限5つ習得しておけば十分
英語超長文を読みこなすための3種の神器
英語の長文を制約するために必要な装備スキルを紹介します。
①チャンクリーディング
英文を直読直解できればいいんですが
実際はそこまでできなくても
チャンクリーディングが出来ていれば大丈夫です。
絶対に返り読みをしないようにし、
ただひたすらチャンクごとにどんどん読み進めていくようにしましょう。
これだけでだいぶスピードは速くなります。
②英文の構造の知識
英文の構造はほぼ決まっていて、全部読む必要はありません。
先ほど、パラグラフの最初の1文だけ読むことを書きましたが、この理由によるものです。
英文は、全部読まなくてもメインメッセージ(主旨)がわかるような構造になっています。
英文の構造はほとんどの場合、次のようなピラミッド型になってます。
ピラミッド型の文章は次のような順序になります。
①主たるメッセージ(I want…, )
②理由1+具体例1 (Firstly, ….)
③理由2+具体例2 (Secondary, ….)
④理由3+具体例3 (Finally, ….)
⑤主たるメッセージの繰り返し (Again, I want …)
基本的に
記事の最初の方に作者が言いたいこと(主旨、メッセージ)があります。
次に理由と具体例が続きます。
なので、
最初の方の文を正しく理解すれば、
あとは具体例や理由で読む必要はなかったりします。
小説などはその限りではありませんが、ビジネスの文書やマニュアルはほぼ、この形を取ってます。
このことを知っていると、
急いでいるときや大意を早くつかみたいときに便利です。
③英語速読のスキミングとスキャニングの技術
要は速読の技術ですが、一部だけでも出来るようなっておくと大変重宝します。
スキミング:文章全体をざっと読み、大意を把握すること。
スキャニング:ある特定の情報を探しながら流し読みや飛ばし読みしていく。
アメリカでは必須らしく、
ほとんどの大学生は出来るようです。
教育のどの時点で習うのかはわかりませんが、出来る人は多いです。
私は一部取り入れてやっている自己流なので、
くわしくは解説できません。
やり方が日本語で書いてあるサイトもありますので、
興味があったら調べてみるのもいいでしょう。
スキミングとスキャニングを練習する
練習するときは、次のようにします。
スキミングの目標・コツ:
- 「タイトル」「見出し」「図表」をざっと見る
- 第1段落と最終段落に注目する
- 各段落の第1文目を意識する
- 段落ごとに「何が書いてあるか」をざっくり把握する
スキャニングの目標・コツ:
- 探す情報を決めてから情報を探す
- 探す情報がありそうな段落をさがす
- その段落を精読する
スキミングとスキャニングで速読即解をする
実行する順序は、次のとおりです。
作業の流れ:
① 知りたい情報を明確にする:もちろん問題の解答です
② スキミングで、概要を掴む:目を速く動かして、なにが書いてあるかを把握します。
③ スキャニングで、特定の情報やキーワードを探す:検索機能のように探します。
④ 場所に辿り着いたらしっかりと読む:1文1文をしっかりと読んで理解します。
※「全文を読んでしまったら失敗」だそうです。私もつい全文読んでしまいます。
英語超長文を読めるようになるためのチャンク学習法
最後にあなたのリーディング旅行を実用レベルまで引き上げる学習方法について解説して行きます
リーディングを実用レベルにしたいなら、
英語サイトや洋書を使って練習するのが良いです。
少し難しくなりますが、
初級レベルでチャンクで読むことに慣れていれば、
読むスピードも速くなっているはずです。
少しずつ、実際に使われる英文に慣れていきましょう。
✓ 実用レベルになるための練習を始めるときのコツ
- 好きな分野、興味のある分野の本やサイトを読む
- その分野のボキャブラリーを先に増やす
- メインメッセージ(主旨)を把握する
① 好きな分野、興味のある分野の本やサイトを読む
テキストは
趣味や興味のある分野の雑誌や本、サイトを選びましょう。
ターゲットを絞ることで、効率が上がります。
ニュースは分野が幅広く、
あまりリーディングのテキストには向いていません。
そのために、上達に時間がかかってしまいます。
それよりも、
料理に興味がある人は、料理の本やサイトを練習につかう
そのほうが、早く上達します。
② その分野のボキャブラリーを先に増やす
リーディング練習を始める前に、
その分野のボキャブラリーを先に仕入れましょう。
料理でしたら、野菜や魚の名前、キッチン用具の名前、などです。
ボキャブラリーが少ないまま始めるより、
先に仕入れたほうが手間は同じで、
読み進めるスピードも楽に速くなります。
英語の名前を仕入れるには以下の本がおすすめです。
✓ 英語名のボキャブラリーにおすすめな本:
名前以外(たとえば、切る、焼く等の動作)の場合、
仕入れるには、和英辞典を使いましょう。
「英語→日本語」より、
「知ってる日本語→英語」を調べるほうが早いです。
英単語を紙にリストして、
持ち歩いて何度も見ていると、自然と覚えられます。
おすすめのボキャブラリー本は以下の記事で紹介していますので、よければ参照してください。
③ メインメッセージ(主旨)を把握する
パラグラフ(段落)ごとに、「何について書いてるか(主旨)」をつかむようにします。
なんとなくで構いませんので、
1つのパラグラフを読み終わったら立ち止まり、
「なにについて書いてあったか」を思い返してみてください。
わからなかったらもう一度、そのパラグラフを読みましょう。
ひとつひとつの文を理解するより、そのパラグラフの主旨の理解を優先しましょう。
実際に英文ドキュメントを読むとき、
この能力がとても役に立ちます。
《書き手》は《読み手》に理解してもらいたいから、
その文章を書いてるわけです。
その彼(彼女)の「何がいいたいのか?」を理解することが大事です。
こういった大意や主旨をつかむ練習をしていると、理解スピードも上がります。
本一冊を読むのもそれほど苦ではなくなります。
SFのペーパーバックも読めるようになります。(SFは少し難しいので、興味があればどうぞ。)
ちなみにスターウォーズ・シリーズは比較的読みやすいです。
まとめ:英語超長文はチャンク・リーディングで読みこなせる
この記事ではチャンク・リーディングで、英語の超長文をよむ方法について解説しました。
英文の直読直解ができなくても、
チャンクリーディングで、
チャンクごとに意味が取れるレベルの人であれば、
超長文も読めるようになります。
本は最初から最後まで通してよむ。
という考えでは、
課題をこなすこと一つ、
なかなかのハードゲームになってしまいます。
そんな人も、割り切って、
1)必要な情報を大量の書籍から抜き出す読書
2)表現・描写を味わう読書
この2つを使い分けるようになれると良いと思います。
チャンクリーディングについては、次の記事でくわしく解説しています。
チャンクについては、下記の記事に書いてますので是非参考にしてください。
リスニングについては以下の記事を参照してください。